ささやかな仕返し |
---|
難解な、数式との格闘。それと引き換えに得たものは酷く躊躇いがちな「好きだ」という言葉。 朱に染まった頬と真剣な眼差しが意味していたのは、先生のくれた言葉が嘘でも冗談でもない、本気の物だということ。 俺は半信半疑で先生を窺って、先生はそんな反応を当然だと思っているように、酷く苦しそうな表情で待っていた。
「センセ、ホントに? 俺、信じちゃうよ?」
先生が俯きがちなのは、俺に対する引け目からって、考えていいの?
「凄い…!
感極まって、思わず大きな声で叫んでしまった。もしかしたら、部屋の外にまで聞こえたかも知れない。
「マジで嬉しい。
にも拘らず、毎日押しかけてた俺も俺だけど。
「俺、そんな余裕っぽかった?」
好きだって?
「センセ、ヒドイ。
必死で言い募る様が可愛い。本当は分かっている、先生がそんな人じゃないことくらい。 「信じて欲しかったら、俺とキスして」 お預けを食らわしてくれた先生に、ささやかな仕返し。
|
□
■
□
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||