BLUE-HIGH |
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一応抵抗をして見せたJを、キッシュは易々と捻じ伏せた。そう、Jのした抵抗は本当に一応というに相応しいもので、既に両腕は封じられていた為ただまな板の上の鯉の如く身を捩って見せたり脚をバタつかせてみたりといった、駄々を捏ねる幼児のような仕草だった。 恐怖に慄いているJを尚煽り立てるように鋭利なナイフでもってJの衣服を切り裂いていく。黒でまとめられていた機能性を重視したパンツとシャツは、ものの1分とかからず襤褸切れと化した。 「此処から出て行く時は、俺の服を貸してやるよ」 Jの体には、仕事をこなす為の筋肉がついている。背も180を超えており、体型バランスは良かった。但し、モデル向きではない、舞台に立つ為にはその体はごつ過ぎた。
「いい体してるなァ、悪くない」 キッシュの指が腹筋の割れ目を撫で上げて、胸筋の上でタップを踊る。Jよりも幾分華奢なキッシュの手。他人の肌に慣れていると、Jに教えていた。 「お前、男相手は初めてか?」
こんな仕事をしているからには、1度や2度、こういった経験もあるんだろう?
「…分かってて…っ、悪趣味にも程がある…っ」
それなりに、相応しいだろう? 「たっぷり悶えな」
首筋に吸い付かれ、Jは体を強張らせた。肌に当たる唇の感触が柔らかい。温かな舌が何度も肌を舐り、硬質なエナメルが痛みと快さの狭間、そんな刺激を与える。歯痕と紅斑を残しながらキッシュは移動し、下着の上からJの雄の証に触れた。
「あ…っ、ウ、ソだろ…っ」
Jは、自分は女の代わりに犯されるのだと思っていたのだ。問答無用で後ろを掘られ、滅茶苦茶にされるのだと。 「俺は喚かれるよりも、喘がせる方が好きなんだよ」
ケツでイかせてやるぜ? 「ン…っ、ふ、ウぅ…っ」
せめて声は立てるまいと、唇を噛んで枕に頭を押し付けている。
「も、やめ…っ」
ゾクリ、とJの背中を悪寒が走った。
「相当不安そうだな? 柔らかな濡れた感触が双丘の間を這って、まさかと思いながらも首を上げた先にはキッシュが自分の尻に顔を埋めているという光景があった。嬲られる感触に身悶えながらも、自分の目が信じられずキッシュを凝視してしまう。 「…何だ、見たいのか?」 視線を感じたらしいキッシュは一度顔を上げ、Jの下半身を抱え上げた。Jの脚をJ自身の顔の横に着くよう体重をかけ、再び窄まりへと舌を伸ばす。
「あ、あァ…っ、いや、だ…ァ! 見せつけられる、後ろを弄られている様を。そして、尚萎えもせず快感を表現し続けている雄を。Jにとって痛み以上に耐えられない無様な己の姿。Jには被虐趣味はなかった、Jにとって残念なことに。
「許す?
視線で人を殺せればいいのにと思った。そして、今夜の仕事をしくじった自分を呪った。
「…クソヤロー…、テメーなんか、死んじまえ!」
絶え絶えの息の間から罵れば、青い目をすぅと細めた。ただでさえキッシュの面立ちは整っている。甘さを欠いた男性的な容貌は、それだけで随分と恐ろしく見える。 「ぐぅ…っ、イテェ…っ!」 その瞬間を狙ったようにキッシュの指が窄まりにねじ込まれた。力が入った状態のソコは、酷く異物を嫌がり、Jを苦しめた。 「痛い方が、いいんだろう?」 キッシュはサディストだ、とJは苦悶の中で思う。後ろでイかされるよりはマシかも知れないが、何もこんなタイミングを狙わなくても。 「うぅ…、く、…っグ…ッ」 一向に緩まないそこを無遠慮に掻き回され、Jは苦痛の呻きを殺し損ねた。 「俺は痛いよりは、気持ち良い方が楽だと思うんだがな」
…俺だってそう思うぜ、普通なら!
「お前くらいの歳になると、柔軟さも減るもんかな」 増やされた指、ますます激しく掻き回される。苦痛ばかりに支配されているJを哀れんでか、キッシュは溜め息をついた。 「…手のかかる男だ」
本腰を入れてJを追い上げることにしたらしい。今まで以上に繊細な愛撫、左手はJの雄にかかり、内に潜る右手は慎重にJの腹を探り始める。Jが快感を訴え始めたのは、それから間もなくだった。 「ふ…っ、んぅ…っ、ぁぁっ」 甘さを帯びたJの声、時折身体をビクつかせるのは決して痛みからではない。頭を擡げている雄からは、色のない液体が滲み出ていた。
「やれやれ、漸くか」 悶えるJの動きを封じて、キッシュは押し入った。半ば以上無理矢理に、しかし切れてはいないとJに告げて。
「あ、あァ、イ、てぇ…っ」 耳元で囁かれ、その自信はどっから来るんだとJは朦朧とした意識で罵った。酷い圧迫と異物感、吐き気までするのに、一体どうやって快感を見出せと?
「…ホラ、此処だろう」
女で言うGポイントだろうか。突き上げられながら片隅に思う。 「ア、うあっ、……っっ!」
最後の意地、と強請るような事は言わないつもりだったが、実際にはどうだったのか。
強姦モノ?
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