CAT 4 |
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おい、と声を掛けられて、意識を飛ばしていた自分に気がついた。 すぐ傍に心配そうな寺尾サンの顔があって、あまりの近さに少し驚いたけれど。 「大丈夫か?」
問われた言葉に、そういえば最中に気を失ったんだっけと思い出した。 「だ…、大丈夫っス…」
寺尾サンの視線から顔を隠したくて、ごそごそと体勢を変えた。 「う、ァっ…!」 思わず上げてしまった悲鳴、気がついた寺尾サンが、バツの悪そうな顔で謝ってくれた。
「お前、イった拍子に中、出しちまって…。
うぅ、聞きたくはないんだけど…、聞かなきゃなんだいんだろうな、多分。 「…ちょっと、我慢しろ」
何を?って思ったのは一瞬。 「わ…っ、やぁ…!」
そんな格好とらされた事もショックだったけど、更にそこに指を入れられて、中身を掻き出されたときには羞恥心で死ぬかと思った。 「ん…っ、あ…、ぅ…っ」 粗方出し終えたのか、今度はタオルで拭ってくれて。処理されてるだけなのに、喘いでるみたいな声が出てしまった。 「…良かった、切れちゃねーみてーだ」
そんな観察まで…!
「お前、気がついてるか?
ガバリと布団を捲り上げて、ベッドの上に起き上がった。気持ちとしては飛び起きたかったけれど、初体験後の身体は思うようには動いてくれなくて。 「ホントだ…」
パタパタと自分の頭や腰の辺りを触ってみる。ここ数日、俺にくっついていた、あのフワフワのオプションは消え失せて、いつもどおりの手触りがあるだけだった。
「俺の好きなヒトって、寺尾サンだったんすね…」
どーするって?
「俺もおまえが好きで、お前も俺が好きで。
望んではいけないのだと、考えないようにしていたのに。
「……馬鹿、だから、俺はお前が好きだって…。 もう、初めて寺尾サンに出会ってから4年が経つ。その間、ずっと俺一人を想っていてくれたって事なんだろうか。 「どうしよう、凄く嬉しい…」
顔が笑うのを止められない。
「言っとくけど、俺は独占欲強いからな。
無意識に思いつめて、身体に変調を来たすほどに慕っていた。これ以上に想える相手など出来るとは思えないし、一生寺尾サンについてくと決めている。
「俺は、寺尾サンが本当に好きです。
恋人になれなかったとしても、自覚した気持ちは、寺尾サンから離れることを強硬に拒絶しただろうが、殺さなくてはいけないなら殺すつもりだった。 「好きでいて、いいンスね…」
憚りなく、好きだと言える事が嬉しい。 「寺尾サン、ギュッて、してくれませんか」
初めての次の日、そんなときぐらいは。
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